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久坂部 羊の『悪医』 [読書]

『悪医』
久坂部 羊、朝日新聞出版、2013年11月7日

朝日新聞出版のHP(http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15403

 現役の医師でもあり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。
 がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郎はがんが再発したあと、外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。「私にすれば、死ねと言われたのも同然」と、小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。
 小仲は大学病院でのセカンドオピニオンを断られ、抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法のクリニック、そしてホスピスへ。それぞれの場所で小仲はどんな医師と出会うのか。
 一方、森川は現在の医療体制のもと、患者同士のいさかい、診療での「えこひいき」問題など忙殺されるなか、診療を中断した小仲のことを忘れることができず、末期がん患者にどのように対したらよいのか思い悩む日々がつづく。
 患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。ひくにひけない命という一線を、患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。


 第3回 日本医療小説大賞受賞作だって。
 久坂部の本に慣れてきたためか読みやすいし、内容も上の紹介文通りで単純明快で、どう結論を持ってくるのかなという期待感だけで読み進められる。しかし、結末はいつもの久坂部でなんか極めて常識的なものでした。

 昨日、震度7の熊本地震が発生し、今日はそのニュースばかり。不意打ちの天災で奪われる命、癌で奪われる命などいろいろ考え、自分の死に方はどうなのだろうと。少なくとも癌で余命宣告されたら、たぶん無治療を選びたいと今は思っている。

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